「ウチナーンチュの日」制定 サンパウロ市 野村市議が尽力【ブラジル】


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「国際ウチナーンチュの日」について思いを語る野村アウレリオ市議=ブラジル

 サンパウロ市で7月20日に施行された法令第17395号により、「国際ウチナーンチュの日」が同市の年間行事の一つに組み込まれた。法令の文面には「10月30日、ブラジルへの沖縄移民先駆者の、レガシーの継承を可能にすべく、沖縄社会における伝統と価値観の議論および保存を目的として『国際ウチナーンチュの日』を挿入する」とある。

 法案はサンパウロ市議会議員の野村アウレリオ市議が作成し、2019年に提出した。野村市議は「移民の数やサンパウロの発展に貢献したことに対する感謝と敬意の印として、おきなわ祭りと同様に市の年間行事へ国際ウチナーンチュの日を組み込む意義がある」と語った。

 野村市議を補佐する伊波クラウジア早代子さん(那覇市系2世)によると、法案は全会一致で可決された。沖縄社会の代表者などにも意見を聞いたという。

 日系社会の行事では各会の代表者や政治家が交流するスペースがある。その中で「世界のウチナーンチュ大会」の存在を知り、野村市議は沖縄にも足を運んだ。知事や市長などと交流し「良かった」と振り返る。

 野村市議と沖縄県系は、家族ぐるみで長い付き合いをしているそうだ。祖父の時代に海外興業株式会社(KKKK)の仕事で、サンパウロ奥地のレジストロで土地の境界を定めたとき、右腕となって働いたのが沖縄の人だった。父は連邦議会下院議員の頃に、那覇市とサンビセンテ市の姉妹都市提携に向けて、当時のサンビセンテ市長と那覇市の政治家をつなげたそうだ。

 野村市議は「国際ウチナーンチュの日を制定したことにより、サンパウロ市民に興味を持ってもらい、観光面でも沖縄との関係にプラスになると思う」と語った。

 (城間セルソ明秀通信員)