宮古、八重山地域で感染拡大 受け入れ体制がひっ迫 きょう厚労省対策班派遣


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子

 10月に入り、先島地域での新型コロナウイルスの感染が拡大している。宮古島市では今月8日以降、八重山では15日以降、19日までに28人ずつの感染者が出た。宮古島では夜の繁華街を中心に、八重山では石垣市の民間病院で感染が広がっているのが特徴で、県は医療体制が脆弱(ぜいじゃく)な離島での感染拡大を警戒する。20日にも厚生労働省のクラスター対策班が石垣市に派遣され、感染拡大防止に向けた方策を検討する。沖縄への派遣は3度目。 

 県は16日付で宮古、八重山両地域の病床確保に関する「医療フェーズ」を最高段階の「5」に引き上げた。フェーズ5で必要な病床数は宮古で12床以上、八重山で10床以上であるのに対し、19日現在の入院患者は県立の宮古病院で17人、八重山病院で19人。重症者は八重山病院の1人のみだが、受け入れ体制が逼迫(ひっぱく)している状況にある。

 現状で確保可能な病床数は宮古病院40床、八重山病院21床で、県によると「さらに調整は可能」だが、人工呼吸器を使う重症者用の病床は限られ、重症者が増えた場合には沖縄本島へ搬送する必要性も生じる。8月には、宮古島市の重症患者を自衛隊が本島に移送したケースがあった。

 県の糸数公保健衛生統括監は19日、「このままのペースで患者が出ると、病床で受け入れられなくなる可能性もある。ホテルや民間病院もあるが、県立病院の他の医療にも影響が出るため危機感を持っている」と対策を呼び掛けた。