学べる首里城、グーグルで開始 世界遺産サミットで玉城知事


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世界遺産サミットで首長会議に臨む県内自治体の代表ら=30日、宜野湾市真志喜のラグナガーデンホテル

 【中部】玉城デニー知事は30日、宜野湾市のラグナガーデンホテルで開かれた第7回世界遺産サミット(主催・世界遺産登録20周年記念事業実行委員会)の本会議で、昨年焼失した首里城正殿の画像が無料で閲覧でき歴史が学べるグーグルのサービスを開始したことを明らかにした。サービスは世界の文化遺産などを閲覧できる「アーツ&カルチャー」で、サイト(g.co/shurijocastle)やアプリで確認できる。

 サミットは、2000年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」に登録された世界遺産が所在する県内自治体の首長や教育長らが登壇し、世界遺産を保全し活用する重要性を確認した。

 アーツ&カルチャーでは「みんなの首里城デジタル復元プロジェクト」が数多くの写真から作った、正殿の3D復元モデルが見られる。グーグルが今年10月に撮影した「ストリートビュー」を通して、首里城を観察することもできる。

 玉城知事は「沖縄の素晴らしさを十二分に知るきっかけになる」と述べ、首里城復興を誓った。

 アーツ&カルチャーの総括責任者アミット・スード氏は「首里城の歴史・文化的遺産に世界中のユーザーが触れる機会を創出し、首里城の一日も早い復興に寄与したい」とのコメントを寄せた。

 県内外から約140人が来場したサミットでは、高崎商科大の熊倉浩靖特任教授が「世界遺産で紡ぐ日本の歴史とSDGs」と題して基調講演した。那覇市で29日にあった分科会の報告もあった。首長会議では各自治体での防災や観光資源としての活用について意見を交わした。サミットは沖縄では初開催で、来年度は静岡県富士宮市で開かれる予定。