【東京】「首里城から見た琉球、沖縄史」と題したトークイベントが31日、東京都の銀座わしたショップ本店で開かれた。歴史研究家で琉球歴史文化話半学会長の古塚達朗さん(61)と、フリー編集者の宮城一春さん(59)が登壇し、1年前の首里城焼失の日の出来事や、琉球王朝の歴史に触れながら、独自の文化や風習を紹介した沖縄本の魅力を紹介した。
沖縄出版協会が主催した「おきなわ本フェア」の一環で行われた。
文化財担当として那覇市に採用され、首里城の復元過程を見守ってきた古塚氏は「前回焼けたのが沖縄戦。まさか自分が生きているうちに再びそうなるとは夢にも思わなかった」と喪失感をにじませた。首里城ができるに至る謎を紹介するなど関心を集めた。
宮城氏は、平成の復元には「箱物で魂が入っていない」という批判もあったとしつつ、昨年の焼失が多くの県民に与えた衝撃を振り返る「日々首里城を仰ぎ見ていた県民が魂を入れていたと思う」と話した。
奄美や宮古島、八重山の人たちにとっては支配の象徴でもあるなど、首里城を取り巻く県民の複雑な感情も紹介した。
古塚さんらによるイベントは11月1日も午後1時半と、3時半からの2回、行われる。7日午後3時からは「東京から見た沖縄報道」と題し、琉球新報と沖縄タイムスの記者によるトークイベントが行われる。
【琉球新報電子版】