東京五輪空手道男子形で金メダル候補の喜友名諒(劉衛流龍鳳会)は2日に公開した稽古で、基本動作や形の部分ごとの確認を行った。大会が中断している期間も稽古は継続してきており、調整が順調であることをうかがわせた。
公開稽古は約2時間にわたって行われた。突きや受けなど単純な基本動作を繰り返した後で、東京五輪で使うと予想される形の「アーナン」「アーナンダイ」「オーハン」「オーハンダイ」が次々と披露された。「(腹の下の)臍下丹田(せいかたんでん)に力を入れろ」などと師匠の佐久本嗣男氏の声掛けに、喜友名は全身を耳にして反応しているようだった。
新型コロナの影響で大会が中断した期間も「実戦勘をつける」と金城新、上村拓也らと2人一組で互いの腕をぶつけ合う「当破(アティファ)」などで土台づくりに励んできた。琉舞の動きから膝の柔らかさを学ぶなど貪欲に形の研究を続ける。「体調は万全だ。1年前より全てで進化している。五輪では満点を出す」と気力ともに充実した様子で言い切った。
昨年2月に母を57歳で亡くした。「母も五輪金メダルを強く願っていた。その約束をしっかりと果たしたい」と誓った。
ギネス世界記録に認定されたプレミアリーグ以外でも世界選手権3連覇など国際大会で勝ち続けている。12月13日には史上初の9連覇が懸かる全日本選手権に出場する予定。「今季最初の大会で気を引き締めたい。いつ大会に出ても勝てる」と変わらぬ自信は健在だ。
ギネス記録については、師匠の佐久本氏とともに世界選手権3連覇ですでに認定されていることも知らなかったそうで、今回も競技団体から知らせを受けるまで全く分からなかったという。佐久本氏は「がむしゃらにやっていてたどり着いた。来年は世界選手権4連覇で間違いなく私の記録を塗り変える」と期待を膨らませる。