【記者解説】男女の「らしさ」見直し必要 性別に縛られない社会の模索を<国際男性デー>


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 本紙が実施した男性向けジェンダー意識調査では、「生きづらさ」を感じている男性が4割いることが分かった。どのような場面で感じるのかを聞いたところ「力仕事」「女性をリードする」「弱音を吐けない」が上位を占め、強さを「男らしさ」とする価値観が男性自身を縛っていることが見えてきた。

 3月8日の国際女性デーで、本紙は、セクハラ調査や関連報道を展開し、男性の「強さ」の前で、女性の性差別や地位向上が進まない現状があることも示した。これらの背景として、男性側の課題も同時に考えていかなければならない。

 沖縄社会に目を向けると、家族や親族、地域とのつながりが強く、旧盆や正月に「男性は座敷、女性は台所」という光景も残るが、性別で役割を分けるべきではないと感じている人が過半数を占めている。年中行事では、「長男」の役割が大きいとされるが、「長男嫁」の負担に言及する声もあった。各家庭での性別役割を見直すきっかけとしてほしい。

 今回の調査では、「生きづらさ」の改善のために「多様な生き方を尊重する文化の醸成」を求める回答がある一方「男性よりも女性の方がつらい」との声もあった。男性優位な社会であることを踏まえた上で、男女の「生きづらさ比べ」をするのではなく、誰もが性別に縛られず自分らしく生きられる社会を、日常のさまざまな場面で模索していく必要がある。(慶田城七瀬)