摩天楼街 路上にこたつ 日本料理店で人気【ニューヨーク】


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マンハッタンの路上に登場したこたつを設置した飲食店

 ニューヨーク(NY)の日本料理店が、路上の駐車場にこたつを設置して接客し、人気を集めている。(比嘉良治ニューヨーク通信員)

 晩秋のマンハッタンは冷え込み、11月の第1日曜日にサマータイムが終わると急激に日照時間が短くなり、厳しい寒さが街角で待ち伏せる。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)でロックダウンとなったNYで、摩天楼の景色が急激に変化した。

 ミッドタウンのようなビジネス街で、高級レストランが多いところは金曜の夜でもひっそりとしている。アップタウンやダンタウンの居住地域では、レストランに入れるのは最大収容人数の25%までという規制がある。そんな中で、店の前の歩道の一部と路上駐車場(パーキングメーター)を廃止し、路上のアウトドア・ダイニングとしての使用が許された。

 ヨーロッパのように路上で接待ができるようになった。植木や電光で飾られた簡易な客席だが、庶民に親しまれ週末などは客足が増える。路上での接待では、寒さ対策も求められる。

 そんな中お目見えしたのが「ドクター・クラーク」という、北海道料理のお店だ。オーナーは北海道出身の金山雄大さん。店はチャイナタウンの一角で目抜き通りではない。目を引くのは、日本間のような作りと「路上のこたつ」。上品な感覚で、たちまち人気が上昇した。

 室内で靴を脱ぐ習慣がない西洋人にも抵抗がなく、冷え切った足元が温まると人気だ。予約も好調となっている。新型コロナで悩むNYの飲食業界に、日本の伝統文化を伝える新レストランが登場した。