辺野古新基地建設、K8護岸に新たな台船設置 市民ら埋め立て作業の加速を警戒


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K8護岸に設置作業中の台船(カヌーチーム辺野古ぶるー鈴木公子さん提供)

 【辺野古問題取材班】名護市辺野古の新基地建設で沖縄防衛局は14日、辺野古崎付近のK8護岸で新たな台船の設置作業をした。この台船の設置で、従来よりも水深が深い場所に船を着けることが可能となる。埋め立て工事の効率を上げる狙いがある。政府が埋め立て区域への土砂投入を始めてから同日で2年となり、基地建設に反対する市民は海上と米軍キャンプ・シュワブゲート前で抗議活動を展開し、作業加速を警戒した。

 沖縄防衛局はこれまで、埋め立て現場北側のK9護岸にスパッド式台船、大浦湾内に土砂を蓄積するための大型船「デッキバージ」を設置した。

 14日午前、K8護岸付近の海上では、カヌーや船に乗った市民約50人が「土砂投入をやめろ」と声を上げた。海上保安庁の職員が護岸周辺に張られたオイルフェンスの内側に入ったカヌーを一時的に拘束する場面もあった。

 カヌーから台船を目撃した鈴木公子さんは「市民がこれだけ抗議している目の前で、工事を加速させるための作業をするのか」と政府に不信感を募らせた。ヨットで抗議に駆け付けた髙木泰さん(57)は「悲しい気持ちだ。早くやめてほしい」と訴えた。

 キャンプ・シュワブゲートからはこの日、工事関係車両221台が基地内に入った。ゲート前で抗議していた大城博子さん(69)は「国は力を使って自然破壊をしようとするが、決して諦めない」と意気込んだ。

 辺野古区在住の男性(77)は「政府は反対の声に見向きもしない」と批判し「米軍機の騒音も基地ができればさらにうるさくなるはずだ」と危機感を強める。「政府の圧力に負けないで頑張らないと」と言葉に力を込めた。