フェンスのない平和祈り賛美歌 沖縄のキリスト教各教派、米軍基地前で「県民クリスマス」


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
平和への願いを込め、賛美歌を響かせる「県民クリスマス」の参加者たち=13日、北中城村の米軍キャンプ瑞慶覧ゲート前

 【北中城】沖縄県内のキリスト教各教派による「第33回県民クリスマス」(同実行委員会主催)が13日夕、北中城村の米軍キャンプ瑞慶覧ゲート前で開かれ、約70人が参加した。この日で、宜野湾市の普天間第二小学校に米軍ヘリの窓が落下して3年、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが名護市安部の海岸に墜落して4年。参加者は賛美歌を響かせ、平和への祈りをささげた。

 例年は教会で開いているが、今年は新型コロナウイルスの感染防止のため屋外で企画した。米軍ゲート前での開催は初めてという。上原榮正実行委員長(日本聖公会沖縄教区主教)は「私たちと私たち以外に分断されており、その象徴がフェンス。境界が取り去られ、平和な世界になることを願う」とあいさつした。

 参加者は「きよしこの夜」や「もろびとこぞりて」などを歌った。米軍関係者の子どもたちがフェンス内から手を振る場面もあった。会場では献金を募り、「チーム緑ヶ丘1207」に寄付した。参加した仲本貴子さん(69)=那覇市=は「ゲート前で歌うことで、基地の中に沖縄があると感じた。いつかフェンスがなくなって、米軍関係者とも一緒に賛美歌を歌えたら」と話した。 (真崎裕史通信員)