従業員数約3万人を数えるベトナムのIT最大手、FPTコーポレーションの中核企業、FPTソフトウェアのチュー・ティ・タイン・ハー会長らが12月28日、県庁に富川盛武副知事を訪ね、県内での事業展開などを報告した。
同社は2017年にシステム開発拠点として那覇市久茂地にFPT沖縄R&Dを開設し、昨年5月に市久米に第2センターを開設した。第2センター開設で、最大稼働人数は100人から250人に増えた。
現在は2拠点で計160人体制でソフトウエア開発に当たっている。日本国内の企業から受注するデジタルトランスフォーメーション(DX)関連の開発などが増え、20年の売上高は前年比で約50%増の見込みという。
ハー会長は「沖縄でのビジネスは非常に順調だ。コストを削減したいが、セキュリティー関連などで海外には持ち出せないというニーズに応えられている。今後はより複雑な業務も沖縄で手掛け、県内でのビジネスも拡大したい」と話した。県内でスマートシティー、自動運転などの先端技術の実証基盤構築なども検討しているという。
同社は県内大学や企業と連携した、IT人材育成を検討している。
ハー会長は「沖縄を拠点に座学や実務の体験を提供できるよう準備を進めている。併せてベトナムから優秀な人材を送り込み、IT人材を増やすことで沖縄のITエコシステムにも貢献できる」と話した。
FPTソフトウェアの19年売上高は4億6400万米ドルで、市場別では日本が53%を占める。ハー会長は3月に就任した。東京や福岡などの顧客を訪問するため10月に来日し、新型コロナウイルスの影響確認や新たなビジネスモデルの提案などを続けているという。