県は16日、県内で10歳未満から90代までの男女130人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日の感染者数が100人を超えたのは昨年8月14日以来、約5カ月ぶりで、8月9日の156人に次ぐ2番目の多さとなった。県内の病床占有率は80・2%に達するなど逼迫(ひっぱく)しており、県内全域の医療フェーズを最大の5に引き上げた。県は17日に対策本部会議を開き、今後の対策や緊急事態宣言を発令するかを検討する。
政府のコロナ感染症対策分科会による感染状況を示す6指標でも、県内は「確保想定病床の使用率」など4指標が「ステージ4」(爆発的感染拡大)に該当した。
県内のコロナ病床数は16日現在329床で、そのうち264床が埋まった。入院・療養などを調整中の感染者も102人に達した。県は入院者数の増加を踏まえ、14日に医療フェーズを5に引き上げ、1週間程度で病床数を469床まで増やす計画を各医療機関に通知した。県内の医療フェーズは宮古島が昨年12月9日に5へ引き上げられている。本島は9月11日、八重山は11月17日にフェーズ4に引き下げられており、それ以来の引き上げとなった。
玉城デニー知事は16日、本紙の取材に対し「3連休からの1週間を注視していたが、130人は衝撃的と受け止めている。17日に分析の詳細を確認するため緊急に対策本部会議を開く」と述べた。
16日の新規感染者のうち55人が接触による感染と推定され、内訳は家庭内24人、会食・飲食8人、友人・知人8人、職場5人、10人が確認中。残り75人は調査中。地域別では那覇市が46人で最多、次いで浦添市17人、糸満市10人、宜野湾市、中部保健所管内が各7人、南城市、名護市、南部保健所管内が各6人、うるま市が5人、石垣市、宮古島市が各4人、豊見城市、沖縄市、愛知県が各3人、北部保健所管内、福岡県、大阪府が各1人だった。
累計感染者数は6311人。直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者は28・96人で全国11位。米軍関係は嘉手納基地、キャンプ・ハンセン、キャンプ・キンザー、キャンプ・シールズで各1人の計4人で、累計感染者数は802人となった。