高原直泰インタビュー「そのスピード感では通用しない」 沖縄SV、札幌と練習試合【21年1月24日】


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沖縄SV-北海道コンサドーレ札幌 前半、指示を出しながらボールを追う沖縄SVの高原直泰=24日、金武町内

 九州サッカーリーグに参入する沖縄SVが24日、金武町内でJ1北海道コンサドーレ札幌と練習試合を行った。沖縄でキャンプを張るチームの中で最初の実戦となった。45分間を2本戦い、1本目は0―2で敗れ、2本目は0―0で引き分けた。FW高原直泰は、日本代表時代にともに戦ってきた札幌の小野伸二と肘タッチするなど旧交を温めていた。試合後、高原がインタビューに応じた。

 Q:今季のスタートを切った。
 A:コロナ禍で難しい状況の中でスタートを切れたのは関係者の努力、サッカーキャンプに取り組んでいただいた人の努力のおかげだ。自分たちはしっかりいい準備をして、県民のみなさまに結果で報告が出せるようにやっていきたい。

 ■不具合「案の定だった」

 Q:札幌との戦いを振り返って。
 A:普段はレベルの高い相手とできない。最初はプレッシャーの早さやスピード間に若手は驚いたと思う。それによって単純なミスが多かったが、そういうものを感じられたのは貴重な時間だった。これからJ1、J2のチームと試合をやっていただける。経験や時間を無駄にしないよう、しっかり戦える準備をしたい。

 Q:試合で試したかったこと、収穫はあったか。
 A:今年最初の試合で、新加入のメンバーも1本目は多く出した。守備でかみ合わない部分が出るだろうと思っていたが、案の定だった。ある程度予想していたので、予想外のことは起こらなかった。新加入選手にチームでやりたいことの理解を促したい。

 Q:コロナ禍でキャンプが非公開になった。
 A:キャンプ事業を請け負う沖縄SVにとっては残念だ。プレーを間近で見てもらえるいい機会だった。そういう中でもトレーニングマッチができることはありがたい。戦っている姿を報道を通じて少しでも知ってもらい、いいニュースを届けたい。

指示を出しながらプレーする北海道コンサドーレ札幌の小野伸二=24日、金武町陸上競技場(ジャン松元撮影)

 Q:キャンプ中に取り組みたいことは。
 A:今年は新加入選手が9人と多い。キャンプ中に組まれている試合をこなしながらチーム作りをしたい。九州リーグの4月の開幕まで時間があるが、他チームの胸を借りてチームの基盤を作っていく。

 ■小野伸二とは「あいさつだけ」

 Q:今季の目標は
 A:チームは日本フットボールリーグ(JFL)昇格が最大の目標になる。今年こそは達成したい。そのために新たな選手に来てもらった。残った選手とうまく融合させながら昇格できる戦えるチームを作っていきたい。

 Q:札幌の小野伸二と話はしたか
 A:あいさつだけ。けがしないようにプレーしようねと言うくらいだった。

 Q:札幌から吸収できる所は
 A:吸収というより、プレースピードや寄せの早さを外から見るのでなく、実際に体感できたことが大きい。のんびりではないが、いかに今までは遅いスピード感でやっていたのか。そのスピード感覚では通用しないとわかる。

インタビューに答える沖縄SVの高原直泰

 Q:JFL昇格へ足りなかった部分、新加入選手に期待することは
 A:去年戦った中で自分たちに何が足りず、弱かったのか。しっかり精査した中で、どういう選手が必要なのかという観点から新しい選手に声を掛けさせてもらった。弱かった所を埋められる選手だ。ただ来てもらったから戦える訳ではない。チームのスタイルではないが、どう戦っていくのかを伝えて、一つのチームとして戦えるようにしたい。
 

【プロフィル】
たかはら・なおひろ
 1979年6月4日生まれ。静岡県出身。1998年にJ1ジュビロ磐田に入団し、ドイツ1部のハンブルガーSV、フランクフルトなどで活躍した。2002年のJリーグMVPと得点王、ベストイレブンに輝いている。15年に沖縄SVを設立し、18年に九州リーグに参入した。

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