森喜朗氏発言、読者からも批判の声「男女参画が進まない」「議論を遮るのは反民主的」


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国立競技場の千駄ヶ谷門

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言したことについて、琉球新報にも公式LINEなどに、読者から多くの批判が寄せられた。森氏は4日午後、発言について陳謝・撤回したが、辞任については否定している。

 発言に対して女性への蔑視だと非難する声が上がった。30代女性は「女性差別以外の何物でもない。総理大臣経験者がこれだから、日本の男女共同参画は進まない。また、少子化の要因もその考え方が関係していると思います。女性は結婚出産したら、台所が職場みたいな」。60歳の女性も「男がなんでもできると思っているんでしょう。私も仕事をしている時、新採用の時は『女だてらに』とか『女のくせに』とか『結婚したらやめるのか』『腰掛か』とか言われました」と経験を交え怒りを書き込んだ。

 「議論が長い」ということを悪いことのように語ることについての批判も。48歳の男性は、「議論を遮る動きは民主主義に反する」。40代男性は、話が長いということ自体も「人それぞれだと思う。別に女性だからってことはないと思う。男性でもいると思うし。森(会長)だから男性が言えなかったんじゃないのかな」と推測した。

 30代男性は「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかるは×。女性がたくさん入っている理事会は、いろんな案が出てくるので、今後の糧になる、とか、相手を敬う言葉が足りない。女性も十人十色。全員が発言するわけではない。発言し難い場にしているなら、上層部の責任。なんなら、別で聞いてあげる場を作るまでが上のやること」と、森氏の配慮不足を指摘した。

 発言は海外メディアなどでも報じられた。50代の女性は「世界に向けてとんでもない発言です。訂正、謝罪を求めます」。

 森氏は3日、JOC臨時評議員会で、女性理事を増やす方針に関連し「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と発言。「女性っていうのは競争意識が強い。誰か一人が手を挙げて言われると、自分も言わないといけないと思うんでしょうね。みんな発言される」などと述べた。

 

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