【識者談話】部活で厳しい言葉は心の負担に 大峰光博・名桜大上級准教授


この記事を書いた人 アバター画像 大城 周子
大峰光博・名桜大上級准教授

 顧問の厳しい言葉により、生徒が亡くなったのであればつらい案件だ。大阪市立桜宮高校バスケットボール部で顧問から体罰などを受け自殺した男子主将の事案と重なる。

 スポーツの現場では、殴られるより、言葉の方がきついことはよくある。限界まで頑張っても厳しい言葉を掛けられると、余計に心へ負担が来ると思う。

 文部科学省の「運動部活動での指導のガイドライン」では「体罰等の許されない指導」に、人格否定などの発言も含まれている。ガイドラインを知らなかったり、理解していなかったりする指導者もいる。研修会などでその都度教えていくしかない。

 生徒たちにとって、学校や部活動は大きな存在で全てだ。男子生徒はスポーツ推薦で高校へ入ったが、部活を辞めるという選択肢はなかったのだろうか。部活が全てではないと、いかに伝えるかも大事だ。

 顧問の言動を部員らが見ているはずで、止めることができなかったことに責任を感じることもあると思う。部員らに与える影響も心配で、そのケアも大事だ。外部の第三者委員会の調査がしっかり担保されることも重要だ。 (スポーツ哲学)

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 さまざまな団体や組織が子どもや若者らの悩み相談に電話などで応じている。主な窓口は次の通り。

▽チャイルドライン(0120)997777
▽子どもの人権110番(0120)007110
▽24時間子供SOSダイヤル(0120)078310
▽日本いのちの電話連盟(0570)783556
▽沖縄いのちの電話 098(888)4343
▽NPO法人BONDプロジェクト 070(6648)8318

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