高2死亡「部活顧問の不適切言動が要因」県教委が認識 調査状況説明


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男子生徒が自ら命を絶ったことを受け、黙とうする県教育委員ら=16日、那覇市の県教育庁

 沖縄の県立高校で運動部主将を務める2年の男子生徒が自ら命を絶ったことを受け、県教育委員会は16日の会議で同問題を緊急議題として取り上げた。部活動を所管する県教育庁保健体育課の太田守克課長は「顧問の不適切な言動等が要因になっているのは明らかだと言える状態に近い」と述べ、顧問の言動が生徒の死につながった可能性が高いとの認識を示した。

 会議では県立高校を所管する県立学校教育課の玉城学課長が生徒が自ら命を絶った経緯や調査状況、学校の対応を説明し「クラスメートのアンケートでは友人関係で気になる情報はなかった。部活動が背景にあるのは間違いない。詳細調査を受けてしっかり対応したい」と話した。

 県教委は県高校体育連盟や県高校野球連盟と連携して再発防止に努め、部活動の指導の在り方について顧問に注意喚起する方針。19日に開かれる県高等学校長協会の会合で県立学校の校長に対し、部活動の適切な指導の在り方を周知する予定だ。

 各担当課の報告後、会議の出席者全員で男子生徒に黙とうをささげた。金城弘昌県教育長は「生徒が自ら命を絶ったのは大変悲しい。教育委員会としてしっかり調査し、明らかにしたい」と述べた。

 教育委員の蔵根美智子委員は「現場の先生に対する現状調査などをした方がいいのではないか」と、当該の部活動だけではなく県内全体の調査を求めた。
 照屋尚子委員は「先生が日常的に掛ける言葉がプラスにもマイナスにもなる。部活の指導者に限らず、小中高校、特支の全教職員が心理学的な視点からの研修をしてほしい」と要求した。

 医師の小濱守安委員は「言葉による暴力は身体的な暴力よりも傷が深い。学校の指導の中で『手を出さなければいいだろう』ではなく、言葉を選ばないとまた同じ事が繰り返される可能性がある」と指摘した。

 上原勝晴委員は「20年も生きていない命が失われたことを非常に重く受け止めている。命は失われたら返ってこない。しっかり受け止めて対応策を考え、二度と起こらない体制、教育実践をしていく必要がある」と述べた。


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