「沖縄スパイ戦史」早稲田ジャーナリズム大賞 西日本新聞「かんぽ」、毎日「汚れた桜」も


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子
三上智恵さん

 社会や文化、公共の利益に貢献したジャーナリストを顕彰する第20回「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」(早稲田大学主催)の大賞3作品が16日、発表された。ジャーナリスト、映画監督の三上智恵さんの著書「証言 沖縄スパイ戦史」(集英社新書)が草の根民主主義部門で大賞に選ばれた。公共奉仕部門は西日本新聞の「かんぽ生命不正販売問題を巡るキャンペーン報道」、毎日新聞ニュースサイトと毎日新聞出版の「『桜を見る会』追及報道と『汚れた桜「桜を見る会」疑惑に迫った49日』の出版」を選んだ。

 沖縄スパイ戦史は三上さんが手掛けた映画「沖縄スパイ戦史」完成後に追跡取材し、元護郷隊隊員らの証言や日本軍による「スパイ」虐殺の被害者側、加害者側の証言などをまとめた。三上さんは受賞について「南西諸島の軍事要塞(ようさい)化が進む。平和の道を進むには沖縄戦の教訓からしか学べない。高齢化する沖縄戦体験者たちがこの状況に何を言い残しているのかを知るきっかけになってほしい」とコメントした。

 奨励賞には公共奉仕部門で東京新聞の報道をまとめた朝日新聞出版の書籍「ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録」、草の根民主主義部門でNHK・BS1スペシャル「封鎖都市・武漢~76日間 市民の記録~」、文化貢献部門で静岡新聞と同新聞ホームページの「サクラエビ異変」を選んだ。贈呈式は3月中旬の予定。