名護市辺野古在住の島袋文子さん(91)が1日、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん(67)がハンガーストライキを行う、那覇市泉崎の県民広場に駆け付けた。島袋さんは具志堅さんの手を握り「頑張ってね」とエールを送った。
島袋さんは、沖縄戦で激戦地となった糸満町(現糸満市)出身。15歳で沖縄戦を体験した。米軍の火炎放射を受けて全身に大やけどを負い、目の不自由な母と10歳の弟を連れ、戦火を逃げまどった。避難した壕の中ですくって飲んだ水は、亡くなった人の血で赤く染まっていた。「沖縄戦体験者として、もう二度と戦争の島にはさせたくない」。車いすで生活する今も辺野古新基地建設の反対行動に身を投じ、工事が続く米軍キャンプ・シュワブのゲート前に通い続ける。
本土防衛の“時間稼ぎ”のため、多くの住民の命が奪われた沖縄戦と、多数の県民が反対しても“辺野古が唯一”と進められる辺野古新基地建設に「なぜ政府はここまで沖縄を踏み台にするのか。政府は『沖縄に寄り添う』と言うが、何も寄り添っていない。踏みつぶすだけだ」と悔しさをにじませる。
島袋さんの兄は沖縄戦に動員されて命を落とした。亡くなった場所は分かっていない。島袋さんは「戦争で殺された人(の遺骨)が土に混じっているのに、基地建設の埋め立てに使うことは、その人を2度殺すことと一緒だ。絶対に許されない」と語気を強めた。
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