那覇市中心部で近代の丁字路や側溝が出土 湧田村跡の発掘調査


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発掘された湧田村跡の道や側溝、建物跡=2月15日、那覇市泉崎

 那覇市立開南小学校の体育館などの建て替え工事に伴い、市が進めていた戦前の湧田村跡の発掘調査でこのほど、丁字路や側溝、水道管などの遺構が新たに見つかった。調査は昨年11月から始まり、昨年は複数の屋敷跡が見つかった。今年に入って調査範囲を広げ、昨年、一部が見つかっていた屋敷跡についても新たに入り口部分や門柱、庭の池の跡などが発見された。

 屋敷跡はコンクリートの基礎の上に木造建築があったと思われる。屋敷跡の北東側にはコンクリートの土間があり、作業場のような空間だった可能性がある。これらは戦前の地図で「玉那覇(元しょうゆ)」と記されている場所とみられるが、詳細は不明。市は今後、資料などと照らし合わせて分析を進めたい考えだ。

発見された門柱や庭石とみられる石

 市文化財課の天久瑞香学芸員は「近代の屋敷の様子が分かる良い例だ。那覇市内は開発が盛んなので、遺構がきれいに残されているのは貴重だ」と話した。

 発掘調査は2月で終わり、今後、建て替え工事を進めるため遺構は撤去される予定。調査の成果は報告書にまとめるほか、動画やパネル展などでも公開できないか検討するという。