香港で「爆売れ」沖縄県産シークヮーサー ブームを支えているのは?


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果汁原料やジュースに加工される県産シークヮーサーの選別作業=2020年9月5日、本部町豊原のもとぶウェルネスフーズ

 香港で「爆売れ」しているという県産シークヮーサー。JAおきなわ輸出戦略室の担当者は「このブームに対応できる供給体制と販路があるのは、農家や関係者の地道な努力があったからだ」と話す。

 2019年10月に日本で放送された朝日放送テレビ「たけしの家庭の医学」で、ノビレチンと認知症予防に関する研究などが紹介された。同番組が香港でも20年11月に放送されると、飲料用のシークヮーサー果汁を輸出する県内の事業者に注文が殺到した。

 JAおきなわは、19年にシークヮーサー商品560ケースを香港に輸出販売していたが、20年は1546ケースと3倍に伸びた。香港で番組が放映された直後の年末に急増し、年間の輸出販売数量を押し上げた。

 これまでは「果汁の使い方が分からない」という理由で、すぐに口にできるゼリーが現地で人気だった。番組放送後は、単価の高い果汁の販売数量が伸びたことで、金額にすると5・6倍の増加になった。

 日本で放映された19年にも、国内で県産シークヮーサーの注文が殺到した。しかし、不作で思うようにブームに対応した供給ができず、複数の事業者は「苦い思い出だ」と口をそろえる。

 JAおきなわの担当者は「香港は小さな市場だが、アジアの食トレンドの発信地だ。勝負どころの今、しっかりと安定供給できるように取り組む」と意気込んだ。
 (石井恵理菜)

 

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