那覇市議会(久高友弘議長)は22日、2月定例会最終本会議を開き、戦没者の遺骨を含む可能性がある土砂を埋め立てに使用しないよう政府に求める意見書案を全会一致で可決した。南城市議会(国吉昌実議長)も同日に開かれた3月定例会最終本会議で、本島南部の土砂を埋め立てに使用しないよう求める意見書案を全会一致で可決した。同様の意見書の可決は初めて。宛先は首相ら。
名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表が17日、県議会と各市町村議会に、南部の土砂採取断念を政府に求める意見書の可決を求める要望書を提出、郵送していた。
那覇市議会の意見書では、具志堅氏が「戦没者の遺骨を含む土砂を埋め立てに使うのは遺族の心を傷つける人道上の問題だ」と訴えていることに触れ、政府に遺族や県民の心情に寄り添うよう求めている。
南城市議会の意見書では「沖縄戦の激戦地だった南部地区から採取した遺骨混入土砂が、普天間代替施設建設事業の埋め立てに使われることは人道上許されない」と指摘し、土砂採取場所について県民感情に最大限配慮することを求めている。
両市議会とも、戦没者の遺骨を国の責任で収集することも求めている。