浦添の多重事故、ダンプ運転手「記憶ない」 速度記録に不備 本格聴取へ


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2人が死傷した多重事故現場の様子=2021年2月11日午後、浦添市伊祖の国道330号(又吉康秀撮影)

 沖縄県浦添市の国道330号伊祖トンネル付近で、ダンプカーが中央分離帯を乗り越え鉄柱に衝突するなどし、母子2人が亡くなった多重事故で、ダンプカーを運転していた60代男性運転手が「事故当日の記憶がない」などと話していることが、10日までに関係者への取材で分かった。事故発生から11日で2カ月。県警は男性運転手の容体の回復を待ち、過失運転致死傷容疑などを視野に本格的な事情聴取を始める方針。

 県警によると、事故現場周辺にダンプカーのブレーキ痕はなかったものの、車両検証では、ハンドルやアクセル、ブレーキの作動に問題はみられなかった。県警はダンプカーの電子機器に蓄積されたデータなどを回収したほか、防犯カメラの映像解析を進めている。

 捜査関係者などによると、回収したダンプカーの走行速度を記録するタコグラフには事故当時の速度記録がなかった。タコグラフの記録紙は機器から外れ、運転席付近で発見されたという。

 事故は2月11日に起きた。宜野湾市方面から国道330号を南下していたダンプカーは浦添市の伊祖トンネル付近で蛇行するなど走行が乱れた。前方を走る車両に接触後、速度を維持したまま道路左の路肩に沿って進行して、中央分離帯を乗り越え、鉄柱を倒壊させるなどして反対車線に進入した。鉄柱の下敷きになり母子2人が亡くなり、車計5台が絡む多重事故となった。

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