「減少に歯止めかからない」泡盛の出荷量16年で半減 製造業者30社が赤字


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 県酒造組合(佐久本学会長)は13日、2020年の琉球泡盛の総出荷量(アルコール度数30度換算)が前年比13.7%減の1万3817キロリットルとなり、過去最高を記録した2004年以降、16年連続の減少となったことを発表した。04年には2万7688キロリットルを出荷しており、16年間でピーク時から半減する落ち込みとなっている。佐久本会長は「出荷量の減少は歯止めがかからない。今後効果的なプロモーションをかけ、リモートで商談会を開催するなど販売促進に取り組んでいきたい」と述べた。

 20年は新型コロナウイルスの影響で、飲食店の時短営業や宴会の自粛などが響き、県内外と海外の出荷が全て前年割れとなった。

 出荷先別の内訳は、出荷割合が約8割を占める県内が同15.8%減の1万1106キロリットルと低迷した。

 県外出荷が同3.5%減の2675キロリットル、海外は同18.7%減の36キロリットルだった。

 コーヒー泡盛や梅酒など泡盛メーカーが製造する「リキュール」の出荷量も、前年比15.2%減の378キロリットルと減少した。

 国内出荷は27.7%減の276キロリットルだったものの、海外出荷は59.4%増の102キロリットルと増加した。中国を中心とするアジア向けで、低アルコールの梅酒などの需要増が見られ、海外出荷を押し上げた。

 泡盛製造業者の19年度の経営状況は45社のうち15社が黒字、30社が赤字だった。45社の営業損益の合計は2億8800万円の赤字となった。

 琉球泡盛の出荷拡大に向けた具体的な施策について、県酒造組合の新垣真一専務理事は「泡盛のリブランディング(価値の再定義)で、プロモーション事業の戦略につなげていきたい」と話した。

 一方、泡盛など県産酒類を対象にした酒税の軽減措置が2022年で切れることについて、新垣専務は「県は新たな沖縄振興の制度提言に、酒税軽減の適用期限の10年間延長を盛り込んでいる。今後、酒造組合も県と同様の立場で求めていきたい」とした。