愛楽園前自治会長・金城さんしのぶ会 関係者「遺志引き継ぐ」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
金城雅春さんとのさまざまな思い出を語り合うしのぶ会の参加者=25日、宜野湾市大山の東本願寺沖縄別院

 【宜野湾】3月に亡くなった、ハンセン病回復者で沖縄愛楽園(名護市済井出)前自治会長の金城雅春さん(享年67歳)をしのぶ会が25日、宜野湾市大山の東本願寺沖縄別院を会場に、オンラインで開かれた。金城さんと関わりのあった県内外の約60人が参加し、金城さんとの思い出を語り合い、故人との別れを惜しんだ。

 ハンセン病問題解決を目指すハンセン病問題ネットワーク沖縄(ハネット)が主催し、金城さんの四十九日とも重なった。金城さんの青春時代の写真やカラオケを楽しむ映像を流し、参加者が涙する場面もあった。昨年4月に亡くなった、ハネット初代代表の由井晶子さん(享年86歳)もしのんだ。

 元患者でハネット共同代表の平良仁雄(じんゆう)さん(82)は、金城さんとの出会いから愛楽園のボランティアガイドをするようになったと報告。差別解消などに取り組んできた金城さんが「私の心を引っ張ってくれた」と感謝した。

 国の隔離政策を問う裁判で金城さんと交流した弁護士の神谷誠人さんは、療養所に入っていない患者の救済に取り組もうとした矢先に金城さんが亡くなった。「一緒に闘いたかった。遺志を引き継いで頑張りたい」と力を込めた。