同性婚に賛成、「法の下の平等」で広がる議員の理解<県議・国会議員アンケート>


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 「選択的夫婦別姓」と「同性婚」の賛否を問う県議・国会議員アンケートでは、両方の事柄について、「個人の生き方の尊重」「法の下の平等」などを理由に、賛成意見が多くを占めた。特に選択的夫婦別姓では、県議会与党・中立全会派議員と、県関係国会議員の全員が賛成し、制度への理解が政治の場にも浸透していることをうかがわせた。一方で、県議会最大会派で県政野党の自民会派を中心に、選択的夫婦別姓、同性婚に対する反対・慎重意見も一定程度あった。議論が不十分という見解が最も多いほか、家族観の変化への戸惑いもあり、課題の解消が一筋縄ではいかない現状も反映した結果となった。

 「同性婚」については、県政与党・中立会派のほとんどの県議が賛成の意向を示し、国会議員でも国政野党議員を中心に賛成意見が多くを占めた。賛成の理由(複数回答)では、「同性カップルも法の下の平等のもと、結婚が認められるべきだから」と「性的少数者への社会的な偏見や差別の解消につながるから」が30人で並んだ。

 記述式の回答では、「性自認は人それぞれで、他人が決めるものではない。性的マイノリティーのカップルがそれ以外の人と同じように幸せになるのを阻害する権利は誰にもない」(翁長雄治氏・てぃーだネット)など、性的指向にかかわらず、個人の権利は尊重されるべきだとの意見が相次いだ。

 県議会自民会派11人と自民党国会議員2人が「どちらかと言えば」を含め反対とした。県政与党議員1人を含む無回答・反対の理由は「制度導入の議論が十分でないから」が10人で最多。

 自民党衆院議員の国場幸之助氏は同性婚の導入には憲法改正が必要だと主張。その上で「性的少数者に対する社会の理解を増進することなく、一足飛びに同性婚まで進めることはかえって社会の亀裂を生みかねない」として、国民的議論を求めた。一方、「同性婚は断固反対。子孫繁栄が一番大事だから」(新垣新氏・沖縄・自民)、「結婚という姿の自然な形とは思えない」(又吉清義・同)と否定する意見もあった。

 県内では既に那覇市で導入されている「パートナーシップ制度」を県として導入すべきかを問う設問では、同性婚反対者も賛成に回るケースもあり、県議では約8割が賛成した。性の多様性を尊重する「美ら島 にじいろ宣言」を県が発表したことに触れ、「『同性婚』の法整備が進まない中、自治体において制度を確立していくことは急務だ」(山内末子氏・てぃーだネット)との声もあった。仲村未央氏(沖縄・平和)は「人権上、『別の制度』ではなく、同性カップルに対しても等しく婚姻を認め、法的権利を保障すべきだ」と、同性婚がベストとの考えを示した。

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