ソムリエ難関資格取得 コロナ逆境利用 知識磨く ワインの魅力 普及に意欲


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難関とされるソムリエの資格「ソムリエ・エクセレンス」を取得した池宮城亮子さん(左)と、師匠の平瀬すみ枝さん=那覇市銘苅のレストラン「サン.ヴァンサン」

 ワインを楽しめる那覇市銘苅のレストラン「サン.ヴァンサン」で勤務する池宮城亮子さん(40)が、国内のソムリエ資格の中でも難関とされるソムリエ・エクセレンス(日本ソムリエ協会主催)を取得した。2020年の試験の合格率は12・9%。池宮城さんは5度目の挑戦で狭き門を突破した。新たな資格を手に、今後は多くの人にワインの魅力を広めたいと思っている。

 ソムリエ・エクセレンスの資格は酒類や飲料、食品全般の専門知識と、高度なテイスティング能力を有するプロフェッショナルに付与される。筆記試験や接客に関する実技試験などを経て合格者が決まる。池宮城さんは2016年に初めて受検したが、1次試験を突破できなかった。19年まで毎年、試験に挑み続けたが、2次試験まで到達できなかったという。

 20年、新型コロナウイルス感染拡大の影響で職場の勤務時間が減ったこともあり、時間に余裕ができた。日本ソムリエ協会が発刊する約750ページの教本を3回以上読み込み、専門知識に磨きをかけた。ワインのテイスティングも例年以上に試した。同年10月、万全の状態で5度目の試験に挑んだ結果、初めて1次試験に合格した。

 2次と3次は実技と口頭試問で、接客など実践的な技術も問われる。試験に向けて、県内初の「シニアソムリエ(ソムリエ・エクセレンスの旧称)」を取得した平瀬すみ枝さん(58)の指導を受けた。客に対する向き合い方や、ソムリエとしての技術を徹底的に学んだ結果、合格をつかみ取った。

 念願の資格を手にした池宮城さんは「お客さまに居心地の良い時間を提供することがやりがい」と笑顔を見せる。ソムリエとしての責任感はこれまで以上に強く感じているようで「知識や技術を普及し、多くの人にワインに興味を持ってもらいたい」と目標を掲げた。 (名嘉一心)