「ちえぞう君」「ミニぞう君」3万冊の出会い生む 沖縄市の移動図書館


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
絵本の配達に喜ぶ園児たち=4月28日、沖縄市明道区のこころ保育園

 【沖縄】「いっしょによもう、いっぱいよもう」の標語で4月23日から始まった第63回「こどもの読書週間」(5月12日までの3週間)を前に沖縄市立図書館(浜比嘉誠人館長)=同市中央BCコザ(旧コリンザ)=は、このほど移動図書館「ちえぞう君」と「ミニぞう君」の2020年度の運用実績をまとめた。貸し出しは合計約3万冊に上った。移動図書館は県内では数自治体が実施しているが、その小型バージョンともいえる保育園を対象にした出前の配本サービス「ミニぞう君」の方式導入は県内初。

 移動図書館「ちえぞう君」は市内24カ所にステーションを設置。新刊も含め1200冊を搭載して2週間ごとに巡回している。20年度は利用者が4460人、貸し出しは1万9298冊に上る。

 宮里児童センターで「ちえぞう君」の到着を楽しみにしていた30代の夫婦は「2人の子どもは小さいので本館までなかなか足を運べない。本の種類も多く、毎回待ちわびています」とお目当ての本を選んでいた。

 「ミニぞう君」の運行開始は19年7月。0~5歳向けの絵本セットと希望資料を合計50点まで定期巡回で貸し出している。昨年前期はコロナ禍の影響もあったが、実施園は3月末で延べ47園、貸し出し冊数は1万853点に上る。毎年2回、学校巡回も行う。

 担当者の大山ひろ子図書館司書は「子どもが読書好きになってくれることが何よりもうれしい」と言葉を弾ませた。今年2月には電子図書館も開設するなど、市民の読書環境の整備を意欲的に進めている。
 (岸本健通信員)