県高校総合体育大会の自転車競技最終日は17日、沖縄市の県総合運動公園自転車競技場で個人ロードレースが行われた。男子(26キロ)は新垣快琉が42分41秒298で、女子(15キロ)は池原杏が29分19秒906で制し、北中城勢が優勝を独占した。池原は4冠を成し遂げた。県高校総体は18日からサッカー、22日に卓球、バドミントン、陸上、テニスが始まる。集中開催は29日から。
最終周回 気力の踏み込み
個人ロードレース決勝は、トップ集団がなかなかばらけない熱戦。先頭では激しい位置取り争いが展開された。勝負は最終周回の鐘が鳴らされた瞬間からだった。
その周回に入る直前、3番手に付けていた新垣快琉が、外側から勝負を仕掛ける。「残り5周あたりからいつでも前に行けるよう準備していた」と常にタイミングを見計らっていた。
ラスト1周。第1コーナーを曲がりきると、前傾姿勢でペダルを踏む両足に力を込めて全力疾走。新垣のアタックに他の選手もぐっと加速した。最終コーナーを曲がりきると、先頭は北中城の黄色いユニホームの3人に絞られた。「すぐ後ろに気配はあったが、最後は気力でいった」と右に左に自転車を揺らして懸命に踏み込み、トップでゴールした。
昨年の九州新人大会のスクラッチ8キロで優勝後「課題を持ち帰り、県総体での優勝を狙ってやってきた」と言うが、今大会のスクラッチや団体追い抜きでは思うような結果を残せていなかった。最終種目のロードレースで県総体での初優勝を飾り、共に切磋琢磨(せっさたくま)する仲間から「おめでとう、ナイスアタック」と祝福が相次いだ。新垣は「一つでも優勝できて、めっちゃうれしい」と喜びをにじませた。
(上江洲真梨子)