ワクチン2回接種でコロナ抗体100%に 北部医師会病院の400人調査


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 新型コロナウイルスのワクチン2回接種で、ウイルスに対する免疫獲得の指標となる抗体が100%産生される―。北部地区医師会病院(名護市)が17日、同病院の医療従事者で実施した抗体検査の研究結果を公表した。県内での研究でワクチン接種のデータが得られたのは初めて。

 同院は、うるま市に研究拠点を構える長崎大発のバイオベンチャー企業AVSS(エーヴィス、小林信之代表)と共同で、医療従事者への米国ファイザー社製のワクチン接種が始まった今年3月から研究を開始。接種した職員400人超の協力を得て接種の前後に血液を採取し、AVSSで抗体を測定した。

 測定を基にした研究によると、非感染者では1回目の接種で98.5%、2回目の接種で100%の人に抗体が産生されたことを確認した。また、2回の接種により30倍以上抗体量が増えることも分かった。

 感染歴のある人は、非感染者の接種1回目と同程度の抗体を保有しており、ワクチンを接種すると、非感染者と比べて大幅に抗体量が上昇した。

 研究に当たった同院呼吸器・感染症科の田里大輔医師は「最優先で接種させてもらった医療従事者でワクチンの効果が示されれば、一般の方が接種する動機につながる」とし、「再感染やワクチン接種後に発症した報告もあるため、実際に発症を予防するのに必要な抗体量は今後の検討課題だ」と述べた。

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