米兵の父を持つ男性、辺野古新基地建設に抗議 「沖縄への基地集中自体が差別」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
基地に出入りする車両向けにプラカードを掲げ「沖縄差別はやめてほしい」と訴える津波リーランさん=26日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前

 【辺野古問題取材班】1960年代に沖縄に駐留していた米海軍兵を父親に持つ津波リーランさん(56)=読谷村=が、名護市の米軍キャンプ・シュワブ前で「バイデン大統領、人種差別同様沖縄差別も許されない」と自作のプラカードを掲げ、辺野古新基地建設に抗議している。「米国も日本も沖縄に基地を集中させること自体が差別的だと感じる」と訴えた。

 「幼い頃は外国人住宅にいて、父に抱っこされている写真もあったが、ほとんど記憶がない」。津波さんは、米軍に対して複雑な思いを抱えながら育った。中学を卒業後、建設作業員などとして働いた県外では、「沖縄の人は米を食べるのか」などと聞かれたこともあった。「沖縄をよく知らないからこそ、辺野古の基地建設にもほとんど関心がない」と指摘した。

 黒人ジャーナリストで、警察官殺害の罪で1982年に収監され、無実を訴えるムミア・アブ・ジャマル元死刑囚に対する米国内での支援運動に触れた。「人種差別が原因で悲惨なことが起きてきた。差別という意味では基地が集中する沖縄も同じだ」と捉えている。

 「沖縄を自由にしろ」と書いたメッセージを指さし、強調した。「米兵の友人らに『中国から攻撃されたら沖縄を守るのか』と聞いたが、『後方に撤退する』と言われた。対立をあおり、基地を造ることを正当化することは間違っている」