空手個人組手 男子は伊礼(前原)、女子は比嘉(浦添)が頂点 県高校総体


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男子個人組手決勝 上段突きでポイントを奪う前原の伊礼寿央貴(右)=31日、豊見城市の沖縄空手会館

 県高校総合体育大会は31日、各地で行われ、空手道個人組手男子は伊礼寿央貴(前原3年)が2連覇を成し遂げ、女子は比嘉花梨(浦添2年)が栄冠を手にした。

 一つの有効も許さず、時間内に8ポイント差を付ける完勝で、前原3年の伊礼寿央貴が力を見せつけた。「完璧だ」。隙のない内容に松田弘樹監督も試合直後、思わず声を上げた。打ち終わりの防御姿勢や技の幅など「(トーナメント戦で)尻上がりに良くなっていった」と戦いぶりを絶賛した。

 目を引いたのは開始1分すぎに放った左足の中段蹴り。左が前になる構えから、無駄のない動きで相手の脇腹に的確に決めた。右足での回し蹴りが多かったが、決勝の出だしで左の蹴りで技ありを決め、ペースをつかんだ。

 昨年の県総体で優勝して以降、県大会では無敗。昨年から主将を務め、前日の団体戦も優勝に導いた。残す個人戦は「負けられない」という重圧は大きかった。危なげない戦いぶりだったが、周囲の期待に応えた安心感から声を詰まらせ目を赤くした。

 昨年はコロナ禍で全国の舞台は踏めなかったが、その後も「誰よりも練習してきた」と自負する。団体は全国4強以上、個人日本一を目指して、強気の攻めで戦い抜く。
 (謝花史哲)


女王の勝負強さ/比嘉、狙い通り

 

空手道個人組手女子決勝 上段突きを放つ浦添の比嘉花梨(左)

 浦添2年の比嘉花梨が狙い通りの試合運びで1ポイント差の接戦を制した。空手道個人組手の女子決勝。獲得した3ポイントは全て中段突きをかわして間髪入れず放った上段突き。4月の夏季大会女王が勝負強さを発揮した。

 決勝の相手は川原琉花(沖尚)。先に準決勝を終えた比嘉は隣の畳で始まった川原の試合を観戦することができた。この時、一気に間合いを詰めて中段突きを決める戦い方を見て、戦略が決まった。潜り込んで来る瞬間を待ち構え、川原の突きを受け流す。わずかに後方に下がって体位を残しつつ拳を見舞った。

 団体に加えて個人では初の全国大会出場を決め「みんなで支え合って浦高らしさを忘れずに頑張りたい」と奮闘を誓う。


(沖縄空手会館)
【男子】
▽個人組手準々決勝
伊礼寿央貴(前原) 4―3 金城亨鷹(浦添)
伊保克矩(前原) 8―0 平良乙陸(美里工)
山本琉暉(前原) 2―0 伊礼龍寿(前原)
国吉展空(沖尚) 5―1 小峯流空(美里工)
▽同準決勝
伊礼 7―0 伊保
国吉 3―0 山本
▽同決勝
伊礼 8―0 国吉

【女子】
▽個人組手準々決勝
比嘉花梨(浦添) 6―1 国吉涼花(沖尚)
黒島慧(首里) 1―0 宮城愛奈(名護商工)
川原琉花(沖尚) 6―0 山城怜音(前原)
佐藤永理(沖尚) 4―2 津口天音(首里)
▽同準決勝
比嘉 2―1 黒島
川原 6―2 佐藤
▽同決勝
比嘉 3―2 川原