米軍普天間飛行場所属のUH1Y多用途ヘリ1機が2日午後10時45分ごろ、うるま市津堅島の中央付近の畑に着陸した。現場は最も近い民家から約120メートル。米海兵隊は本紙の取材に「操縦士が機械的問題があると判断した」と答えた。政府関係者や県警によると、米側は「エンジン故障」「飛行中に警告ランプが点滅した」などとも説明している。
うるま署によると、ヘリの乗員は5人。県警はヘリの回りを規制線で囲んでいる。けが人などは確認されていない。米軍は本紙への回答で「周辺の訓練場で通常の訓練中、操縦士が機械的な問題があると判断して予防的に着陸した」と説明している。点検チームを現地に派遣し、機体回収の方法を検討する。
3日朝、登庁した沖縄県の謝花喜一郎副知事は「決してあってはならない事だ。県として厳正に対応したいと思う」と語った。情報を収集し、抗議を含めて対応を検討する方針を示した。県は午前8時ごろ、沖縄防衛局を通して米側に詳細な情報提供を求めた。現場確認のため、職員を派遣している。
日本政府は在日米国大使館と在日米軍へ遺憾の意を伝え、原因究明と再発防止、今回の事案における連携強化を申し入れた。
佐藤卓也内閣官房沖縄危機管理官は現場入りした。取材に対して着陸による被害や土壌の汚染は「見受けられない」と説明した。機体の復旧のめどについて「調整中」と答えた。
在沖米海兵隊は2日から、離島などを占拠して攻撃や補給の臨時拠点にする「遠征前方基地作戦(EABO)」の訓練をうるま市の浮原島や渡名喜村の入砂島などで始めていた。
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