沖縄第5次振興計画 民主党連立政権下で「自由度高い」交付金の創設を柱に


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
仲井真弘多元知事=2021年5月、那覇市

 仲井真弘多氏は、稲嶺恵一氏の後継として2006年の県知事選で初当選した。第5次沖縄振興計画(振計)策定に向けて交渉が大詰めを迎えた11年度当時は民主党政権だった。仲井真氏は米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を容認していたが、10年の知事選で「県外移設」を公約に掲げて再選を果たしていた。

 当時、政府は新基地建設に向けた環境影響評価(アセスメント)の評価書を県へ提出する時期を探っていた。仲井真氏は当時、県外移設を求める立場から難色を示していた。県は民主党のマニフェスト(政権公約)を読み込み、一括交付金の記述に目をつけ、第5次振計の柱にすべく交渉を開始した。11年3月に東日本大震災が発生し、沖縄振興の議論はやりにくい雰囲気もあった。

 当時を知る元県幹部は「振計も全て止まった感じがし、要請するのも申し訳ない感じだった。東京での要請は1週間に1、2回とか相当やった」と振り返る。

 政府は一括交付金を含む第5次振計の策定が決まった11年12月28日未明、評価書を県庁に運び入れ、新基地建設が動きだした。仲井真氏は本紙の取材で一括交付金獲得を含めた当時の交渉について「いろんな微妙な部分があるから」と言葉を濁した。


【関連記事】

沖縄振興計画どうする?仲井真元知事に聞く 「政治力とは県民全体が動く力だ」