「グチよりも笑い袋を持ち歩く」「恋ふたたび和泉式部を目指したい」―。新報川柳選者で「川柳とみぐすく」代表の大田かつらさん(73)=豊見城市=がこのほど、ミニ句集「川柳画と恋川柳と」を発刊した。新型コロナウイルスの感染拡大が長引く中、ふさぎ込みがちな気持ちを「川柳のユーモアで吹き飛ばしてほしい」とこれまで詠んできた川柳を一冊に収めた。要望があれば友人・知人に配っている。
恋愛や人生の機微を歌う演歌が大好きという大田さん。演歌から着想を得て作品を考えると、恋愛にちなんだ句が自然に生まれるという。40首を収録し、100部発刊した。
ミニ句集には、川柳と絵を組み合わせた絵手紙のような「川柳画」も12作品収めている。表紙の一句はひな壇の女びなと男びなを描き「来世も巡り逢(あ)いたいなんて嘘(うそ)」と女性の心境をつづった。「(既婚)女性の多くは来世は違う人と巡り会いたいと言うんですよ」と冗談を交えながらこの句を説明した。
川柳ならではの泣き笑いのにじんだ作品も多い。「コーヒーミル嫌な男をかきまぜる」「深い傷舐(な)めてやさしさ深くなり」
大田さんは川柳を始めて20年余。川柳の内容を絵で表現したいと10年前に絵手紙を習い始めた。「コロナ禍で気持ちの沈んでいる人が多い。川柳の持つユーモアに触れ、多くの人に元気になってほしい」と句集に込めた思いを伝えた。 (高江洲洋子)