理想の学校は?キーワードは「多様性」「生き生きした大人」 オンラインでゆんたくサロン


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「友達との関わりや経験そのものが学び」と話す山城健児さん
「周囲の大人が生き生きとしていることも大切」と話す森山和泉さん
「子どもたちの成長を信じ切る」と話す坂本将吏さん

 発達障がいがある双子の子育てを描く本紙連載漫画「ひなとかのんのおひさま日記」の作者、森山和泉さんと福祉のプロが、一般参加者と子育ての泣き笑いを語り合う「凸凹ゆんたくサロン」(凸凹ゆんたくサロン、琉球新報社共催)は5月15日、「こんな学びがステキ! 理想の学校を語り合うの巻」をオンラインで開いた。

 一般参加者を含めた自己紹介の後、長く若者支援に関わるNPO「はじめました。」の坂本将吏さんが「学びってどんなイメージ?」と投げ掛けた。放課後等デイサービスIMUA(沖縄市)の山城健児さんは「勉強など『○○しなければ』というものではなく、わくわくする発見や内側から湧いてくるようなもの」、森山さんは「学校では教科だけでなく、行事や友達との関わりなど経験そのものが学び」と答えた。

 山城さんは「小5くらいで授業が難しくなる。自分も学校で子どもたちと一緒に学び直してみたい。休み時間も子どもと遊べて楽しそうだ」と地域の大人が気軽に授業に参加できる学校を提案した。小学校で学習支援をしている森山さんは「『大人でも分からないことがある』という雰囲気を出すと、子どもたちはとても優しく教えてくれる。大人は子どもの問題点を見つけようとしてしまうが、それとは違う多様な学びの機会が学校にはあふれている」と一方的な「教える―教えられる」ではない関係性を重視。坂本さんは「今の学校は同一性が強く窮屈。おじさん、おばさんなど雑多な人たちが教室にいればいじめも起きにくくなる」と指摘した。

 山城さんが運営するIMUAでは海や山で遊ぶ活動を日常的に取り入れている。山城さんは「子ども以上に大人が夢中になって楽しむのが一番。子どもを巻き込んで一緒に遊ぶ中で、協力やコミュニケーションなど培われるものがある」と話す。中には「うざい」など乱暴な言葉を使う子どももいるが「大人になっても言い続けるわけじゃない」と今すぐ正すことには拘泥しない。「子どもたちは成長していく。それを信じ切る」と先を見る大切さを語った。坂本さんは「学びの結果はいつ開花するかは分からない。5年後10年後かもしれないし、別の要素と組み合わさった時かもしれない」と成果を急がないことを重視した。

 森山さんは「子どもたちの周囲にいる大人がどれだけ生き生きしているか。子どもたちには学校講演に招くような『すごい人』でなくていいので、自分の知らない世界を語ってくれるおもしろい大人、楽しんでいる大人と出会ってほしい。そうすれば子どもたちは『大人になるっておもしろそうだな』と思える」と経験を交えて語った。

 参加者からは宿題について「子どもにガミガミ言ってしまい反省している」「親に点検させるのはやめてほしい」など悩む発言がいくつも上がった。それぞれの経験や考えで盛り上がり「宿題がすべてではないとほっとした」と発言した人もいた。

 次回は父の日にちなんで19日午後7時半から「お父さん」をテーマに開く。父親のエピソードや役割分担、父親不在など幅広い話題を展開する。申し込みは18日までにQRコードから。問い合わせはメールdekobokoyuntaku@gmail.com

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 次回は6月19日午後7時半開演