子育て「頑張らんでええ」 12人出産した助産師HISAKOさん、悩める母親に動画発信


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 「頑張らんでええ」「適当でええ」。動画配信サイト「YouTube(ユーチューブ)」で大阪弁を使って呼び掛けるのは、うるま市塩屋で「助産院ばぶばぶ」を開院しているHISAKO(ヒサコ)さん(47)だ。22歳から7カ月までの子ども12人を出産した自身の経験と助産師の知識を生かし、情報を発信するチャンネル「助産師HISAKOの子育て学校」の登録者は19日時点で27万人を上回る。

ユーチューブチャンネルが話題のHISAKOさん=7日、うるま市塩屋の助産院ばぶばぶ

 HISAKOさんは大阪府出身。総合病院などでの勤務を経て、2006年に大阪で「助産院ばぶばぶ」を開院した。全国各地から子育てに悩む母親たちが足を運び、数々のメディアに取り上げられてきた。

 一方で私生活では、前夫との間に10人の子どもを授かるものの、14年に離婚。前夫が育てることになった5人の子どもとは離ればなれになった。2回の流産を経て16年、未婚のまま現夫のMARK(マーク)さん(61)との間に授かった子どもを出産。18年に再婚した。そうした自身の過去を踏まえ、若年出産が多く離婚率の高い沖縄で、母親の居場所となる助産院を開院しようと決意した。20年4月、MARKさんと子ども6人と共に移住した。

 ユーチューブは20年5月から始めた。新型コロナウイルスの影響などで「ばぶばぶ」に来院できない人にも、スマートフォンがあれば、時と場所を選ばずにメッセージを届けられるのが魅力という。MARKさんと共に「ばぶばぶ」などで撮影し、毎日配信している。内容は妊娠中の食事や産後うつ、離乳食の進め方、性教育についてなどさまざまだ。

 一方で、発達障がいがある中学1年の第7子「ななちゃん」との日常や、20年10月に出産した第12子「ねねちゃん」の寝かしつけの様子なども赤裸々に公開している。「自分のことはフルオープン。経験や知識はどんどん伝えていきたい」と言い切る。

 「ばぶばぶ」は現在、仮設でオープンだが、8月には平安座島に移転し、正式に開院する予定だ。母親も子どもも居心地良く過ごせる場所になるように準備を進めている。「誰でも、どんな環境であっても、安心して妊娠、出産、子育てができるように、これからも活動していきたい」。今日も明るい笑顔で発信を続けている。

 (嶋岡すみれ)