命の大切さ、言葉に 東京で朗読劇「島守の塔」


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朗読劇「島守の塔」に出演する(右から)北翔宇海莉さん、貴城けいさん、舞羽美海さん=22日、東京都の大田区民ホール(毎日新聞社提供)

 【東京】沖縄戦中に食糧確保や疎開に関わった沖縄県知事・島田叡の生誕120年を記念した朗読劇「島守(しまもり)の塔」が22日、大田区蒲田の区民ホールで上演された。主催は毎日新聞社、後援は琉球新報社などでつくる映画「島守の塔」製作委員会。戦火の中、軍の命令とのはざまで人命保護に奔走した島田知事や荒井退造沖縄県警察部長の苦悩を描くとともに命の尊さを発信した。

 島田知事役を貴城けいさん、荒井県警察部長役を北翔海莉さん、2人から生き延びて沖縄の未来を託される県職員・比嘉凛役を舞羽美海さんら宝塚歌劇団出身の俳優3人が演じた。日本陸軍第32軍司令官の牛島満中将役は演出を担当した立花裕人さん。

 三線奏者の岡村聡士さんの演奏で、沖縄民謡や岡村さんが書き下ろした主題歌「いちやてぃん」が披露された。米兵が投降を呼び掛ける朗読劇最後の場面で俳優3人が「命どぅ宝、生きろ」と叫ぶ場面に観客らは引き込まれていた。