沖縄初「ミス日本」弟・山咲トオルのことも…ママドル中沢初絵が語った芸歴35年【動画付き】


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芸能界デビュー35年を振り返り、今後の抱負を語る中沢初絵=17日、那覇市(喜瀨守昭撮影)

 タレントの中沢初絵が歌手デビュー35周年記念ミニアルバム「Blue moon(ブルームーン)」を6月29日、リリースした。お蔵入りとなった幻のデビュー曲「ブルームーン」を表題曲に、1986年のデビュー曲を当時のオリジナル音源で収録した「Sweet Summer Lady~年下サーファーボーイ~」、漫画家でタレントの弟、山咲トオルが作詞作曲した「今こそ1歩ずつ 2021」など、カラオケ2曲を含む計6曲を収録する。デビュー35周年を迎えた中沢にミニアルバムへの思いや、デビューから今日に至るまで、歩んできた活動を聞いた。(聞き手・田中芳)

 

―1986年、アイドル歌手としてデビューしたきっかけは
「日本旅行『赤い風船』の初代沖縄キャンぺーンガールの応募があり、選ばれたのがきっかけだった。当時、アクターズスクールに通って歌を習い、芸能界の道を模索していた。心の中では、杏里さんや中島みゆきさんのようなアーティストを目指していた。事務所の方針もあって、アイドルになっちゃったという感じだった」

―当時を振り返って
 「1986年の新人歌手を対象にした新宿音楽祭に出場した。当時300人前後デビューしても20人しか出られなかった。少年隊や山瀬まみさん、藤井一子さんたちと同じ舞台に立った。デビュー曲のスイート・サマー・レディーは、オリコン42位にランクインした。3万枚売れてヒットした。100位以内に入るのがみんなの目標でもあった。当時のチャートは演歌なども交えてだったので、アイドルで42位に入ったのは、すごく頑張ったと思う」

デビュー曲の「Sweet Summer Lady~年下サーファーボーイ~」

 「松田聖子さんや松本伊代さんがデビューした80年代前半はアイドル全盛期。私がデビューした86年はぎりぎりだった。キャンペンガールに決まってアイドルデビューして、モデル事務所と芸能事務所の2足わらじの形だった。沖縄から離れたくない気持ちがあった。約1年半、東京にいてシングルレコードを2枚出した後、しばらくしてアイドル歌手を辞めて沖縄に帰ってきた」

 

―91年「ミス日本」に沖縄で初めて選ばれた
 「フリーランスで、テレビやラジオの活動をスタートしたのは20歳の時。当時、沖縄のタレントは放送局などに所属して活動するのがほとんどで、フリーで活動するタレントはいなかった。「ミス日本」の応募の年齢制限が24歳だった。24歳の時、最後のチャンスだと思って受けた。当時のグランプリは藤原紀香さん。20人の中に選ばれ、新聞記事にも取り上げられた。『会いたいです』と手紙をもらった」

35周年記念CD「Blue moon(ブルームーン)」を出した中沢初絵=17日、那覇市の桜坂劇場(喜瀨守昭撮影)

 

―ミニアルバムの表題曲「ブルームーン」は幻のデビュー曲だった
 「デビュー曲の候補に3曲ありそのうちの1曲だった。A面にSweet Summer Ladyが選ばれて、B面にはパラダイスへFLY AWAY が入った。ブルームーンは入るところがなくて。でも私はこの3曲の中で実はブルームーンが好きだった。沖縄っぽくて沖縄の観光をイメージしたすごく良い曲。歌詞やメロディーが大人っぽくて、18歳の頃は歌いたくても、なかなか歌うことができなかった。それを今回いよいよ、一番に出してもらえる機会ができた。50歳を過ぎ、今になってやっと自分にぴったりな曲だと感じる。月に願いをかけたら幸せになる、そんな気持ちで歌っている」
  

芸能界デビュー35年を振り返り、今後の抱負を語る中沢初絵=17日、那覇市(喜瀨守昭撮影)

―カップリング曲の「今こそ1歩ずつ」は
 「10年前にリリースした。東日本大震災が起きてしまい、全国自粛一色だった。弟のトオルが書いた歌詞を読んで、『一歩ずつ前を向いて進んでほしい』という気持ちを込めてタイトルをつけた。CDの売り上げは、東北に寄付した。曲調をアイドルロック調にアレンジしてレコーディングした。沖縄から全国にエールを贈りたい。三線の音色も入っている」
 
―「オキナワンママドル」として仕事や育児の両立をしながらの活動を
 「20年前は娘の子育てをしながらだったので、仕事の現場にはいつも娘を連れて歩いていた。娘がマネージャーをしてくれたこともあった。弟が全国デビューして相乗効果ですごく忙しかった。沖縄でレギュラーを8本持って弟の番組もあって睡眠時間は3、4時間だった。今考えたらできない。信ちゃん(津波信一)に『沖縄一忙しいママだ』と言われた。今は孫もいる」
 「番組制作会社を立ち上げ、2年前に「今夜もここカラ」という番組を始めた。ミニアルバムも出す予定もなかったが、コロナの時だからこそ出そうとなった。新しい生活様式の中でも、どうにか盛り上げていけたらと思っている。じっとしていても何にもならない。できる人たちは何か一歩ずつ踏み出しているので、そういう弾みになればいいかなと思う。みんながミニアルバムを聞いて、勇気を持って夢をかなえていこう、未来に向かっていこうという気持ちになってもらえたらうれしい」

◇  ◇  
 ミニアルバムは、「Blue moon」「今こそ1歩ずつ2021」のほか、1986年オリジナル音源で「Sweet Summer Lady~年下サーファー・ボーイ~」や「中国恋魔術~チャイナマジック~」などを収録。価格は税込み1500円。県内のCDショップで購入できる。問い合わせは沖縄レコード商事☎098(857)5919。