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無趣味の理由 石川酒造場製造部課長・石川由美子<仕事の余白>


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石川由美子氏

 私は無趣味であるが、知人には多趣味だと思われている。興味が湧くと即決で行動することが多い。独学ではあるが手芸・洋裁・カメラ・ペーパークラフト・アクセサリー作り・家庭菜園・ヨガなどなど。手掛けた物は多いが無趣味なのである。

 その理由はせっかちで面倒くさがりな性格だからだろう。やり始めるとすぐにゴールが見たくなる。空腹も気にならないし、睡眠時間が短くなっても平気である。素人のくせに短期集中・アレンジも加えてしまうので難易度は高くなり、ゴールにたどり着いた時には達成感を得られて満足と同時に疲労感も残り、面倒くさくなってしまうのだ。

 完成度を高め極めるというわけではなく、自分が納得してしまうと熱が冷めてしまう。自分が納得できるレベルの基本的な知識はあるので、仕事やプライベートで活用できる情報はあるが、楽しんで継続的にやりたい存在にはなってはくれない。

 このコロナ禍において自分時間はたくさんあるので新しいことに挑戦したいと考えているのだが、なかなか重い腰が上がらず、もったいない時間を過ごしてしまい焦ってしまう。だが、興味がないものに取り組んだところでゴールまでたどり着けないのだから、じっくりエネルギーを蓄えながら惹(ひ)かれるものを探したいと思う。

 次こそは急がず焦らずゆっくりと老後を楽しく過ごせるほどの一生続けられる趣味を見つけたいと思う。