琉球政府時代の証人 川平朝清さん、映画「サンマデモクラシー」初日にあいさつ


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映画の感想を話す川平朝清さん

 ドキュメンタリー映画「サンマデモクラシー」(沖縄テレビ制作、山里孫存監督)の上映が3日、那覇市の桜坂劇場で始まった。同日に舞台あいさつがあり、初回は山里監督と「ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記」の平良いずみ監督が登壇した。映画に琉球政府時代の証言者として出演した川平朝清さん(93)も駆け付けた。

 「サンマデモクラシー」は米統治下の沖縄で、魚屋の女将玉城ウシが起こしたサンマの関税に関する裁判から、民主主義を懸けて米国に挑んだ人々の姿を描いた快作。

 川平さんは「オールドジェネレーションにとって、どのように次の世代に沖縄のことを伝えていくかは、常に悩み、考えていること。教育テレビ的な側面もありながら、エンターテインメントも含んでいた。この機会に巡り会えたことをとても喜んでいる」と、賛辞を送った。

 「サンマ裁判」でウシの代理人だった下里恵良立法院議員の下で働いた照屋久子さん(69)は「(下里さんは)自分の活躍は言わず、失敗談ばかりをして、笑っていた。奥さまを大事に思っておられて『僕は保守だけど、家内は革新で、投票してくれない』とも言っていた」と振り返り、下里が家族や周囲の人々に愛される、明るい人柄であったことを語った。同日の舞台あいさつには、山里監督とまーちゃんこと小波津正光が登壇した。

 舞台あいさつは11日に「標的の村」の三上智恵監督、22日に志ぃさー(藤木勇人)がそれぞれ登壇し、山里監督と語り合う。詳細は桜坂劇場のホームページ。

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