家庭環境に左右されず「誰もが学べる那覇市に」 初当選の吉里明さん<那覇市議選>


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当選確実となり万歳をする吉里明さん(左端)=11日午後11時46分、那覇市与儀の選挙事務所

 那覇市議選初挑戦で当選確実となった吉里明さん(44)=公明=は市与儀の選挙事務所で、支援者らと喜びを分かち合った。新人で新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言下の選挙戦は知名度浸透に苦労した。支援者と共に汗をかき市内を駆け回った。弟は障がいがあり、障がい児(者)相談窓口の一本化などを訴えてきた。

 「支援いただき感謝申し上げる。アフターコロナを見据えた地域経済の活性化と社会福祉の立て直しに取り組みたい」と力強く語った。

 市真地出身。両親と男3人兄弟の長男として育った。末っ子の弘樹さん(37)は知的障がいや口蓋(こうがい)裂があった。ひきつけも頻繁に起こし、手術や入退院を繰り返した。「なぜ自分の弟が」と悩んだ日もある。

 父は警備会社など職を転々とし、母はパートで家計にゆとりはなかった。4年間新聞奨学生として販売店の寮に住み込みながら、県外の大学に進学した。毎朝午前2時半に起床。バイクにまたがり約300部を配達し登校した。卒業後、県内外の企業に勤めてきた。 振り返れば、子どものころから「周囲の人に支えられてきた」。出馬を伝えた弘樹さんからの「頑張って」の言葉が力になった。自身の経験を踏まえ、経済や福祉で悩みを抱える市民の立場に立った政治を目指す。「家庭の収入に左右されず誰もが学べる那覇市」に向けて尽力する。

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