新規事業、デジタル化…沖縄の会社経営で多い相談は?<沖縄お仕事相談デスク>


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子

 コロナ禍で会社経営に関して多く寄せられる相談は?…沖縄の企業や個人を対象としたコンサルティングを手がける「Cosmic Consulting(コズミックコンサルティング)」代表の波上こずみさんが教えてくれました。

波上こずみさん

Q.今年度に入って一番多く寄せられる相談は?

A新規事業を模索する企業が多い傾向

 「人が定着する組織について教えてほしい」「社員がモチベーションを上げてパフォーマンスを高めるコツが知りたい」など、あらゆる社内課題に関するご相談が多いのですが、今年度に入って特に多いのが「社員を巻き込んで今後の会社の方向性を定めたいが、社員の巻き込み方やアイディアのまとめ方について教えてほしい」というご相談です。

 既存事業のあり方を至急検討しなければならず、企業存続のためには新規事業についても模索したい。

 そのような中で、どのように社員のやる気を引き出して会社の業績につなげていくかという点で、経営者が悩んでいるご様子が伺えます。

Q.コロナ前と後で相談内容に変化はありますか?

Aデジタル化や働き方の多様化検討のケースが増

 変化に適応できる組織づくりが必要だということはコロナ前から語られていましたが、特に沖縄においては危機感を持ってそう感じている企業は多くなかったように感じます。どちらかというと、目の前の業務をどう回していくかという点からの業務改善や人材定着に関する相談が大半でした。

 しかしコロナ禍になって、「今後再び不測の事態に陥ったとしても倒れない組織づくりを目指したい」というビジョンを持って、デジタル化の促進や働き方の多様性などについて検討しているケースが増えています。大変な状況が続いておりますが、多くの企業が持続可能な組織づくりについて本気で取り組む契機になったのは間違いないと思います。

 

Q.女性のキャリアに関する相談で今シーズンで多いものは?

A働き方を見直す女性が増えている

 コロナ禍により、自分のキャリアについて見直す女性が増えています。 「今の会社で働き続けられるのだろうか」 「副業を考えたいが自分に何ができるのか」 「在宅でも仕事ができることを実感できたので、働き方を変えたい」 というご相談が増えており、キャリア観に変化が起こっている様子です。 企業の業績悪化による給与の減少などネガティブな影響もある一方で、「キャリアについて可能性が広がった。自分らしい働き方を目指していきたい」というポジティブな影響もあるように見受けられます。

 

◇執筆者プロフィル

波上こずみ(なみのうえ・こずみ)
Cosmic Consulting(コズミックコンサルティング)代表。組織コンサルタント

子育て・介護と仕事との両立に苦しんだ経験を踏まえ、2016年に起業。

「働く人のモチベーションを組織の活力へ!」をテーマに、沖縄の企業や個人を対象としたコンサルティングを手掛けている。
那覇市首里生まれ。1男1女の2児の育児中。


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