ハブいない粟国島で24匹捕獲「定着の可能性が高い」 4~8月


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 【粟国】2017年に島内で初めてハブが確認された粟国村で本年度、ハブが相次いで発見されている。4月から8月13日時点で24匹が捕獲され、村内の累計は55匹となった。ハブ定着の有無を調査・研究している県衛生環境研究所の寺田考紀主任研究員は「定着している可能性が高い」と判断した。

粟国村内で捕獲された全長90・5センチのハブ=2017年11月24日(県衛生環境研究所提供)

 村によると、沖縄本島から運搬船で運ばれる工事用資材の廃材にハブが紛れ込み、島内に入った可能性がある。捕獲場所は茂みが広がる島の北側が多い。集落がある南側での発見はなく、けが人や農作物への被害報告はない。

 村は17年以降、島内の北側を中心に70台の捕獲器を設置した。その後、徐々に増やし今年は130台を設置した。捕獲器の増加に比例してハブの捕獲数も増えた。17年度3匹、18年度2匹、19年度9匹だった捕獲数は20年度17匹、21年度はすでに24匹が捕獲された。19年にはこれまでで最大の全長192センチ、体重約1・6キロのハブが見つかった。

捕獲器で捕まった全長84センチのハブ=7月8日(粟国村提供)

 村は8月から「広報あぐに」でハブの発見数を掲載して注意喚起している。農家など希望する村民には1世帯1本のハブ撃退スプレーを無償配布している。予算は「ハブ対策事業」として一括交付金を活用し500万円を計上している。

 村の担当者は「草むらに入る際は軽装を避け、ハブは夜行性なので夜間も十分注意してほしい」と呼び掛けた。


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