環境省は7月1日からの3年間、沖縄県内に生息する新種のオオムカデとゴキブリ計3種を「種の保存法」に基づく緊急指定種とし、捕獲・殺傷、譲渡などの行為を規制すると発表した。ネットオークションなどで頻繁に取引されており、緊急対応した。
指定されたのは、「リュウジンオオムカデ」と「ウスオビルリゴキブリ」「ベニエリルリゴキブリ」。リュウジンオオムカデは、本島北部や久米島、西表・石垣島、渡嘉敷島、台湾の渓流などに生息している国内最大のムカデ。2020年の論文で新種と確認された。陸地と水中にすむ「半水棲ムカデ」で、同様の生態のムカデはこれまで世界で2例しか報告されていない。
ゴキブリの2種は、いずれも森林の腐葉土などをえさとしている。ウスオビルリゴキブリは、与那国島だけに生息。20年の論文で新種として記載された。オスの全長が12.5~14.5ミリ、腹部は紫色で、黄赤色の帯状紋を持つ。
ベニエリルリゴキブリは宮古島の一部で生息しており、オスの全長が12.5~13.0ミリ、オレンジ色の帯が特徴。今年6月公開の論文で新種として記載されたばかりだ。
環境省は、3種が国内外の愛好家による捕獲、売買で種の存続に重大な支障が出る恐れがあると判断した。これまで、緊急指定種に指定したのはワシミミズク、イリオモテボタル、クメジマボタルなど5種。
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