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ネットバンキング犯罪の防止策は? 手口は多様、巧妙化<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子

 ネットバンキング犯罪とは、インターネットバンキングのパスワードなどを盗み取り、口座から勝手に預金を第三者口座に送金することを総称して言います。警察庁によると、その被害額は2015年に過去最高の30億7300万円(発生件数1495件)を記録したあと、18年まで減少傾向にありましたが、19年に急増し、20年度は11億3300万円(発生件数1734件)となりました。

 犯罪の手口には、ウイルスによるIDやパスワード等の認証記録の不正取得、メールなどを利用したフィッシング詐欺があります。
 認証記録の不正取得としては、改ざんしたウェブサイトの閲覧や添付ファイル付き電子メールからウイルスに感染させ、IDやパスワードを取得する手口があります。フィッシング詐欺では銀行を装ったニセのメールを送るなどして、精巧なニセ画面を表示し、認証情報を入力させて取得する方法をとるなど、不正取得の手口はさまざまです。

 犯罪被害は個人のみならず、ウイルスにより電子証明書を不正取得された法人の被害も多発しています。これらの防止には、取引銀行が推奨するセキュリティー対策を実施する、セキュリティー対策ソフトなどを常にアップデートし最新の状態に保つ、ID、パスワードの管理を徹底することが有効とされています。こうした犯罪手口に対し、どれだけ用心していても被害に遭わない保証はありません。怪しいと感じたら、「全国銀行協会相談室」「全国とりひき相談所」や最寄りの警察、消費生活相談窓口へのご相談をお願いします。(沖縄銀行融資部上席調査役 宮里聡)