辺野古サンゴ移植で沖縄県が意見書を提出 許可撤回の正当性を主張


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水中ボンドでサンゴを固定する作業員=8月10日、名護市の辺野古沖

 辺野古新基地建設のサンゴ移植に伴う県の移植許可撤回取り消しを審査する農相の審査請求で、沖縄県は27日、許可撤回の正当性を主張する意見書を水産庁の審理員に提出した。意見書は、沖縄防衛局が13日に審理員に提出した反論書に再度反論する内容になっている。

 県がサンゴの生残率を下げないようにするため、高水温期移植回避などを求めた許可条件などが焦点になっている。この条件への違反を理由に県は移植許可を撤回している。

 防衛局が反論書で許可条件について「夏季の移植実施が禁止されていない」としたことに対して、県の意見書は「『適切な移植時期』を選定することを求めており、違反する場合には許可を取り消しうることは明らかだ」と主張した。

 防衛局は反論書で、那覇空港滑走路増設事業などで「夏季の移植が許可されている」と主張した。県の意見書では「過去の事業は今回同様の条件は付されていない。(過去の事業で)高水温期などの移植で生残率低下がみられ(防衛局には)その時期を避けるよう条件を付けた」と、許可条件の正当性をあらためて強調した。