沖縄に対する差別意識や偏見が映像化され、公共の電波で放送されてしまった点に「ニュース女子」問題の根深さがある。
今回の訴訟では、番組づくりのずさんさやいびつさがあらわになった。まともな取材もせずに作られた番組が「ニュース」として放送されてしまったことは、マスメディアの劣化を象徴しているが、番組が沖縄への差別を扇動し、デマによって沖縄に住む人々をおとしめようとする意図を持って作られていた点でより悪質性が高い。
彼らの中に、人々の悪意を増幅させることで視聴率を稼げるという計算もあったはずだ。「悪意」がお金になるという発想があったわけで、そうした今の社会のありようが、「ヘイト」や「フェイクニュース」の問題の根本にある。
そういう意味で、「沖縄」と在日韓国人である辛淑玉さんは彼らにとって格好のターゲットだった。判決は画期的なものだが、辛さんへの攻撃の本質が「民族差別」である点にも触れてほしかった。
(ジャーナリスト)
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