病院探しに30分超え…沖縄で救急搬送困難739件 現場の心的負担が増大


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 新型コロナウイルスの前例のない流行に伴い、沖縄県内における救急搬送の際、現場待機が30分以上かかった事案が、5月10日~8月29日で739件(暫定値)に上ることが4日までに分かった。救急搬送先の病院を探す「照会」が4回以上だった事案は93回。消防関係者は「感染に関係なく、患者の搬送に影響が出ている」「待機時間の増加は隊員の(心的な)負担だ」など現場の悩みを吐露した。

 本紙は県内18消防本部に聞き取り調査を実施した。30分以上の現場待機は県内で739件。最多は那覇市消防局で193件だった。次いで浦添市消防本部が139件で、沖縄市消防本部76件、宜野湾市消防本部67件と続いた。

 待機時間の最長は沖縄市の162分間。沖縄市によると、コロナに感染した女性を搬送する際、残された女性の子どもの世話をする人を誰にするのか、調整に時間がかかった。

 宜野湾市の事例では、コロナ感染者の受け入れ先がすぐ見つからず78分待機した。

 搬送先の病院を探す照会が4回以上だった事案は全体で93件。最多は那覇市34件で、宜野湾市23件、浦添市15件と続いた。

 一つの搬送における照会件数は7回が最多で、東部消防組合消防本部であった。那覇、浦添、宜野湾、沖縄、国頭地区行政事務組合消防本部で6回があった。島尻消防組合消防本部は5回があった。

 本島南部の消防担当者は「コロナ前、照会は2、3回で済んだ。4回でも珍しい。5回以上は異常だ」と指摘した。