変わらぬ現状に声上げ続け 山城議長が最後の辺野古 平和運動センター10日退任


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議長としては最後の抗議活動の参加となった沖縄平和運動センターの山城博治議長(左端)=7日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前

 【辺野古問題取材班】10日に退任する沖縄平和運動センターの山城博治議長(68)は7日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で、議長として最後の抗議活動に参加した。新基地建設が着々と進む現状に「何も変わらない」と悔しさもにじませる。抗議する市民からは、長年の活動をねぎらう声が寄せられた。

 7日、山城議長は市民約10人とゲート前に座り込んだ。市民らに退任することを伝え「ここに立つと、いろんなことを思い出す」と感慨深げに語った。工事車両がゲートに入ろうとすると、山城議長は「人々の命と暮らしを後回しにする政治は許さない。最後まで頑張ろう」と声を上げ、建設を阻止する意志を示した。

 「今までありがとうございます」「ご苦労さまでした」。市民からはねぎらいと感謝の言葉があった。抗議に参加した長堂登志子さん(71)は「長い間、みんなを勇気付けて頑張った」と語った。

 山城議長は辺野古新基地建設や東村高江のヘリパッド建設などの問題に抗議する中、器物損壊などの疑いで県警に逮捕されたこともあり、不当な人権侵害と訴えてきた。「権力側のどう喝や圧力が激しくなった。悔しい思いをする日々が続く」と、険しい表情で新基地建設が進むキャンプ・シュワブを見つめた。