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眞栄田郷敦、デビュー作「小さな恋のうた」で感じた沖縄の現実


眞栄田郷敦、デビュー作「小さな恋のうた」で感じた沖縄の現実
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「小さな恋のうた」のメインキャストを務める(左から)眞栄田郷敦、山田杏奈、佐野勇斗、森永悠希、鈴木仁=那覇市内(ジャン松元撮影)

 沖縄出身バンドMONGOL800(モンパチ)の代表曲をテーマにした映画「小さな恋のうた」(監督・橋本光二郎、脚本・平田研也)が24日、公開される。沖縄の高校生がバンド活動を通じて仲間や家族、米軍基地内に暮らす少女に思いを寄せる物語。「小さな恋のうた」や「あなたに」「DON’T WORRY BE HAPPY」などを出演者が生で歌い、演奏している。作品についてメインキャストを務める佐野勇斗、森永悠希、山田杏奈、眞栄田郷敦(ごうどん)、鈴木仁に話を聞いた。

(聞き手 金城実倫)

 

 ―モンパチの「小さな恋のうた」との出合いは。

 佐野勇斗 中学時代、音楽室から聴こえてきたこの曲に心を奪われた。自分にとって、初めて買って聴いた曲だ。

 森永悠希 他のアーティストによるカバーを聴いたのが初めてだった。自分たちより上の世代に親しまれた楽曲が自分たちの世代にまで歌い継がれていることのすごさを感じる。

 山田杏奈 気付いたら知っていた曲。カラオケに行けば絶対と言っていいほど歌っていて、いつも盛り上がる。

 鈴木仁 物心ついた時から知っていて、自然と歌詞も覚えている。

 眞栄田郷敦 自分はアメリカ生まれだが、幼い頃から耳にしていた曲だった。

 ―劇中では実際に生で演奏している。

 森永 約半年間練習を重ねた。体に染み付くようになるまで練習をさせてもらった。自分はドラムをたたいた経験があったが、他のメンバーは楽器に触れること自体初めてなので大変だったと思う。

 山田 以前からギターを始めたいと思っていたので出演が決まった時はうれしかった。初めてアンプにつないで音を出した時のゾワッとする感じは今でも強烈に印象に残っている。

 佐野 自分はキヨサクさん(上江洌清作)と同じベース・ボーカル。(モンパチの)ファンなので「失礼のないように」という気持ちで練習に力を入れた。ベースボーカルは難しかったが、楽しむことを大事にしながら歌い演奏した。

 ―印象に残った場面やロケ地は。

 森永 みんなで海を眺める場面があったが「本当に沖縄の海はきれいだな」って思った。東京では絶対味わえない沖縄の自然に感動した。

 佐野 学校の屋上でライブをしたのは、少し怖かったけど楽しかった。青い海と空を眺めながら熱唱したのは気持ち良かった。

 鈴木 屋上のシーンはとても良かった。(佐野、森永、山田の)3人だけの演奏はずるいと感じた(笑)。後で映像を見て「いいなあ」と思った。

 山田 自分は「ヒューマンステージ」でライブをした場面。実際にモンパチの皆さんが使ったステージで立った時の感覚は心に強く残った。

 ―映画では基地のある沖縄の日常も映し出されている。

 眞栄田 実際に米軍基地の前で撮影をしたシーンがあった。沖縄の現実を肌で感じるという緊張感の中で芝居ができたのは良かった。

 佐野 基地問題を描きながら、音楽によって乗り越えることができるさまを伝えている。この作品を見る人が前向きになってくれたらとの思いで、強く演じた。

 ―映画を見る人に向けてメッセージを。

 鈴木 最初から最後まですべてが見どころだと思う。映画に出てくるメッセージを受け取ってほしい。

 山田 1カ月半の撮影の中で昔から沖縄に住んでいるかのような気持ちになった。沖縄の方に見てもらうのは緊張するけど、多くの人に見てもらい、共感してもらえたらうれしい。

 森永 ライブ感をものすごく感じる作品。ライブに来ている感覚でガンガンと音を浴びながら見てほしい。

 眞栄田 作品を見て少しでも頑張ろうって気持ちになってくれたらうれしい。モンパチの3人も出演しているので注意して見てほしい。

 佐野 沖縄で生まれた曲なので、沖縄無しでは完成しなかった作品だ。県外出身の僕らが演じさせてもらっているが、沖縄の皆さんと一緒に作ったと言っても過言ではないと思っている。

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