辺野古サンゴ「死滅の恐れ」県が監視委に質問状 夏移植の強行批判


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7月29日に行われたサンゴ類の移植作業の様子=米軍キャンプ・シュワブ沖

 名護市辺野古の新基地建設に向けたサンゴ移植を巡り、沖縄県は17日、沖縄防衛局が夏場で台風の可能性がある7月29日に移植作業を強行したことについて、防衛局に環境の観点から助言する「環境監視等委員会」に公開質問状を送った。「適切とは判断されず、いたずらにサンゴを死滅させる恐れのある行為だ」と批判した上で、環境監視等委員会の見解を聞いた。

 県は同様の質問状を日本サンゴ礁学会にも送って回答を待っている。防衛局には10月15日までに回答するよう求めた。学会の回答と照らし合わせて移植の問題点を検証したい考え。

 県がまとめた「県サンゴ移植マニュアル」では、高水温期や繁殖の時期、台風が襲来する時期は移植作業に適していないと指摘している。県は防衛局に移植を許可する際、この手引きに沿って対応することを条件にしていた。県は質問状で、防衛局が移植を始めた7月29日は水温が上がりつつある時期だったとし、「移植サンゴ類の生残可能性を低下させるものだ」と指摘した。過去5年(2016~20年)の平均を見ると、8月から10月までは1カ月に10個の台風が沖縄に接近していると説明した。その上で、監視等委がどのように防衛局から説明を受けて助言したかを問いただしている。